高齢者の医療

 

70歳以上の高齢者は医療費の自己負担割合や自己負担限度額などが70歳未満とは異なり、負担が軽減されます。

なお、75歳以上の方及び65歳以上75歳未満で一定程度の障害のある方は「後期高齢者医療制度」の被保険者となりますのでご注意下さい。

 

70歳以上75歳未満の方(前期高齢者医療制度)

 

■医療費の自己負担

70歳以上75歳未満の一般および低所得者は自己負担割合が2割となります。(経過措置:昭和1941日以前生まれの方は1割)

なお、70歳以上75歳未満の高齢者は、受診の際、高齢受給者証の提示が必要になります。

 

■入院したときの標準負担

・入院時食事療養費

入院したときは、食事療養にかかる標準負担額として13食を限度に1食あたり460円(市町村民税非課税世帯は100210円)を自己負担し、標準負担額を超えた額が入院時食事療養費として支給されます。

・入院時生活療養費

65歳以上の高齢者が療養病床に入院する場合、生活療養にかかる標準負担額を自己負担し、標準負担額を超えた額が入院時生活療養費として支給されます。標準負担額は食費が13食を限度に1460円、居住費が1370円になります。ただし、所得の状況に応じて負担の軽減措置があります。

また、入院医療の必要性が高い患者等も負担が軽減され、食事療養標準負担額と同額の負担となります。

生活療養標準負担額

区分

食費(1食につき)

居住費(1日につき)

課税世帯

下記以外の方

1460

370

下記以外の難病患者等

260

0

低所得者U(住民税非課税世帯)

210

370

低所得者T(年金収入80万円以下等)

100

370

1管理栄養士等を配置していない保健医療機関に入院している場合は420円です。

 

 

低所得者U

70歳以上で世帯全員が市町村民税非課税の人等

低所得者T

70歳以上で世帯全員が市町村民税非課税で所得が一定水準(年金収入80万円以下等)を満たす人等

 

■自己負担限度額

70歳以上の高齢者も医療費の自己負担には限度額があり、限度額を超えた場合は、超えた額が高額療養費として支給されます。

70歳以上の高齢者は、自己負担限度額が70歳未満よりも低額なほか、外来の場合の個人ごとの自己負担限度額と、同一世帯で同一医療保険に加入している場合に、外来と入院の自己負担額を合算する世帯ごとの自己負担限度額があります。

なお、入院の場合は、病院での支払いが自己負担限度額までで済みますが、外来や世帯合算した額が自己負担限度額を超える場合は、あとから払い戻しを受けます。

70歳以上75歳未満の人の高額療養費の自己負担限度額】

※直近12ヶ月間に3ヶ月以上高額療養費に該当した場合、4ヶ月目以降は多数該当として、〔  〕内の額に自己負担限度額が引き下げられます。

現役並み所得者

:標準報酬月額28万円以上

一般

:標準報酬月額26万円以下

低所得者U

70歳以上で世帯全員が市町村民税非課税の人等

低所得者T

70歳以上で世帯全員が市町村民税非課税で所得が一定水準(年金収入80万円以下等)を満たす人等

 

平成298月から平成307月まで

所得区分

1ヶ月の自己負担限度額

外来・個人ごと

入院・世帯ごと

現役並み所得者

57,600

80,100円+(医療費−267,000円)×1%

44,400円〕

一般

14,000

(年間上限144,000)

57,600

44,400円〕

低所得者U

08,000

24,600

低所得者T

15,000

 

平成308月以降

所得区分

1ヶ月の自己負担限度額

外来・個人ごと

入院・世帯ごと

標準報酬月額83万円以上

252,600円+(医療費−842,000円)×1%

140,100円〕

標準報酬月額53万円〜79万円

167,400円+(医療費−558,000円)×1%

93,000円〕

標準報酬月額28万円〜50万円

80,100円+(医療費−267,000円)×1%

44,400円〕

一般

(標準報酬月額26万円以下)

18,000

(年間上限144,000)

57,600

44,400円〕

低所得者U

08,000

24,600

低所得者T

15,000

 

■高額医療と高額介護の合算制度

高額医療と高額介護を合算し、自己負担が限度額を超えた場合に、高額介護合算療養費が支給されます。

現役並所得者

健康保険の場合、標準報酬月額28万円以上の人が現役並所得者に該当します。ただし、年収が高齢者複数世帯で520万円、高齢者単身世帯で383万円に満たない場合、健康保険組合に届け出れば一般と同様の自己負担になります。

 

75歳以上の方及び65歳以上75歳未満の一定程度の障害をお持ちの方(後期高齢者医療制度)

 

■運営の主体は「後期高齢者医療広域連合」になります。

都道府県ごとに設立された「後期高齢者医療広域連合」が、保険料の決定、保険料の賦課決定、医療費の支給などを行います。

 

■医療機関で医療を受けるとき

広域連合で交付する被保険者証を提示してください。医療機関での自己負担は1割(現役並所得者は3割負担)となります。

限度額を超えた医療費負担は高額療養費の支給対象になります。入院時の食費・居住費の標準負担額も75歳になる前と同様です。

※詳しくは、広域連合にお問い合わせください。